スキャポン・ブックスキャン…書籍スキャン代行サービスはどれくらい儲かるのか?

ipadが発売されて以降、自炊やスキャン代行サービスの話題には日々事欠かない。
ipadで読んでみたが確かに読みやすく、電子書籍市場の活性化は容易に想像がつく。


そこで現われたのがブックスキャン・スキャポンに代表される書籍スキャン代行サービスだ。ブックスキャン(100円/冊)に対しスキャポンはAmazon直送・dropboxpaypal活用という省力化で(90円/冊)という価格設定で挑み話題を呼んでいる。


しかし気になるのは、「果たしてこんな価格設定で本当に儲かるのか?」ということだ。簡単にシミュレーションしてみた。100冊の受注を受けた場合を想定する。


[売上]
= 100冊 x 90円(スキャポン単価/冊)
= 9000円


[費用]
= 1冊当たり必要処理時間(h) x 100冊 x 時給650円(最低賃金ってこれくらい?)


scansnap S1500の仕様によると1分で両面40ページ読取可能とあったので、1冊平均を仮に200pとすると1冊あたり読込処理だけで5分がかかる。裁断やピックアップを含めると1冊当たりの必要処理時間は、7-8分はかかるだろう。1冊当たり必要処理時間を8分(0.13時間)とすると)


= 0.13h x 100冊 x 650円
= 8450円


ということで売上9000円に対し費用は8450円で営業利益が550円ということになる。
ちなみに処理時間はトータルで13時間。人1人・scansnap1台・PC1台を日中延々使い続けてこの程度である。


さらに実際は場所代・電気代・Paypal等の支払手数料・scansnap本体費用・裁断機費用・メンテナンスコスト等々の諸経費が発生する。ブックスキャンはともかく、スキャポンは損益分岐ギリギリどころか、赤字じゃないのかという気さえしてくる。


では、果たして彼らはいったいどのようにして儲けているのか。

私が考えうる書籍スキャン代行サービスで儲ける方法は次の通りだ。


1.【スキャンデータ使い回し→書籍販売のコンボ】
新品書籍のスキャンデータを使い回して、同じ書籍を二度スキャン作業しない。当然2冊目以降は新品の書籍がタダで手に入ることになうるので後はそれを売りさばけば丸儲けというワケ。
ISBNコードとか使ってシステム組めば既にスキャンデータがあるかどうかを判定するシステムはたやすく組めるだろう。

日に1000冊請け負うとしてそのうち5%が同じ書籍であれば50冊、平均単価を1500円とするとまるっと75000円分の粗利が生まれる。50冊分のスキャン時間も浮く(4225円相当)。

ええ、著作権法違反をモノともしない人だけがやる行為です。


2.【裁断済み書籍の販売】
裁断済みの書類と化した書籍を再度製本して販売する。あるいはそのまま書類型書籍としてAmazonヤフオクで販売する。scansnapだけ持ってる人とかが裁断済み書籍が安く手に入るなら買うだろう。


3.【内職さんへの外注化】
家庭で仕事をしたいニーズを持つ郊外に住む方へ、内職として1冊あたり50円とかで仕事を依頼する。仕事を始めるに当たってはまずscansnap S1500・裁断機・PCは自分で揃えてもらいます。そして毎朝、車で書籍を取りに来てもらい、持って帰って自宅でスキャン処理してもらう。作業場所代も電気代も機材代金も一切かかりません。


4.【新聞やA4以上の雑誌への拡張】
これは現状scansnapという機器の制限がある以上厳しいところだが、ソフトウェア処理でA4サイズ以上の書籍・雑誌に対応可能となれば、同じ書籍・新聞を何本も購入している企業からは大いに引き合いがあると思う。

これも1と同じく同じ新聞・雑誌は2度スキャンしません。


いやー我ながらひどい提案だけど、今から起業するならスキャン代行サービスで決まりだね!



追記:よくよく考えるとスキャンかけてる間は人がヒマしてるから1人で3台のスキャンくらい掛け持ちできるよね、多分。そしたら上記の計算でいくと300冊で18550円営業利益がでるから、コンスタントに600冊/日くらい受注できれば、まぁデータの使い回しとかしなくても社長1人+バイトでやる分には十分なんじゃない?